2012年4月2日月曜日

医療IT、奨励金配布の達成基準、第2弾が発表 [メルマガ2012年3月8日号]


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NTTDATA DIGITAL GOVERNMENT
メールマガジン 2012年3月8日号
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※本メールマガジンは毎月2週目と4週目にお送りします。購読は無料です。

寒さの中にも少しずつ春の気配を感じられる今日この頃ですが、『NTTDATA DIGITAL GOVERNMENT』は、春の訪れとともに次のステージを目指して、サイトリニューアルの準備を進めております。
米国では、医療IT普及の促進策がまさに次のステージに入ろうとしています。今回は、その動向についてレポートします。

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■メインレポート
医療IT、奨励金配布の達成基準、第2弾が発表
・医療IT普及を狙いとする奨励金制度
・Meaningful Useの第2段階
・第2段階の内容に関する業界の反応
・今後の見通し

■最近の米国ニュースから
・新サービス
・市場動向

■ワシントンDC便り
「多分、大いに役立っている」防犯システム

■ワールドレポート新着情報
1.韓国における温室効果ガス対策の動きとICTの活用について(アジア2012年3月8日)
2.排出量取引の光と影 −排出量取引の課題と今後−(有識者2012年3月1日)

■金融マンスリーレポート新着情報
1.銀行業界のITスキル承継問題(金融×IT2012年2月28日)
2.保険業界、レガシーシステム近代化が加速(グローバル2012年2月28日)

■IT政策ウォッチ
★IT政策ウォッチ2012年3月1日号


■メインレポート

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医療IT、奨励金配布の達成基準、第2弾が発表

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 今週は、景気対策法に基づき、医療ITを導入・有効利用した医療プロバイダが奨励金を受け取るために達成すべき基準の第2弾が発表されたことを受け、その内容と業界の反応をリポートします。


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[医療IT普及を狙いとする奨励金制度]
・オバマ政権では、2009年に成立した景気対策法の中に、医療ITへの190億ドル規模の大型投資を柱とするHITECH条項を盛り込んだ。
・大型投資の大部分は、電子健康記録(EHR)を導入し、有効に利用した医療プロバイダへの奨励金の配布に充てられることになっている。
・公的保険を管理するCMSでは、EHRの有効利用(Meaningful Use)の基準を3段階に分け、医療プロバイダがEHRを利用して達成すべき基準を2011年から段階的に引き上げると同時に、各段階を達成したプロバイダに奨励金を配布する仕組みを定めている。
・第1段階は医療データの電子化、第2段階は電子化されたデータの交換と意思決定支援への利用、第3段階は医療の質向上に向けた電子医療データの利用が狙いとされ、第1段階の基準については2011年5月以降、奨励金の配布が始まっている。

[Meaningful Useの第2段階]
・保険福祉省(HHS)の傘下で医療ITの普及を主導する全米医療ITコーディネータ室(ONC)のMostashari室長は、2月22日に米国最大の医療ITカンファレンスであるHIMSS年次会合において、Meaningful Useの第2段階を発表した。
・第2段階の基準は、投薬や検査の指示を電子的に行う件数の割合や、電子的に健康情報を提供する患者数の割合など、第1段階で設定された各種の数値基準を引き上げたほか、第1段階においてテストデータの交換実施を求めていた項目について、実際に医療情報の交換を行うようにするなど、ハードルが上げられた。
・第2段階では、がんやその他の特定疾患のレジストリへの電子的なデータ送信・報告や、EHRでの医療画像の閲覧を可能にすることなどが新しく盛り込まれたが、いずれも、必須ではなく選択制となっている。
・EHRの政府認定についても、第1段階の認定済み医療プロバイダに対しては、第2段階で新たに追加になった機能についてのみ認定作業を行うことで、プロバイダの負担を軽減することも明らかにした。

[第2段階の内容に関する業界の反応]
・Meaningful Useの第2段階の内容は、HITECH条項で新設された医療IT政策委員会や医療IT標準化委員会の事前の提案内容に沿った内容であることから、内容そのものは医療業界が想定していたものだといえる。
・HIMSSに参加した医療ITベンダの間では、第2段階は、ヘルスケアへの患者の参加促進という狙いと、EHRの相互運用性促進という二つの狙いが、バランスよく反映されていると評価されていた。
・医療プロバイダの間では、第1段階と第2段階とのギャップがあまり大きくないとした上で、第3段階で電子化された医療情報を実際に医療の質向上に利用するという目標を達成するには、第2段階から第3段階への移行ギャップが大きくなりすぎるとして、第3段階の導入時期の見直しなどが必要になる可能性も指摘された。


第1次世界大戦のシェルショック

[今後の見通し]
・Meaningful Useの第2段階の内容については、60日間、一般からの意見を募集し、これらを反映させて夏にも最終案が発表される見通しである。
・Meaningful Useの第2段階の開始時期は、当初予定の2013年から1年間延期されることが決まっているが、EHRベンダは、これから第2段階対応のソリューション開発を開始し、夏以降、認定申請や医療プロバイダ間でのテスト/カスタマイゼーション対応などが活発になると見られている。 
・HITECH法に基づくEHRを導入・有効利用したプロバイダに対する奨励金配布の効果は上がってきており、HITECH法施行前後で、医療プロバイダのEHR普及率は17%から倍増したとの調査結果もあることから、第2段階への取り組みも、EHR普及だけでなくプロバイダ間のネットワークの拡大に拍車をかけると期待される。

【NTT DATA AgileNet(弊社米国子会社)によるコメント】
ラスベガスで開かれたHIMSSカンファレンスでは、300以上のセッションが行なわれましたが、2月22日にMeaningful Useの第2段階が発表されるかもしれないとのうわさがTwitterなどで広まったことで、Meaningful Use関連のセッションはどれも立ち見が出るほど盛況でした。医療業界からの人気が高いONCのMostashari室長は、セッションや基調講演で、Meaningful Useの第2段階について、さかんに一般からのコメントを呼びかけていました。第1段階では一般コメントを受けて、草案が大きく変更されたことから、第2段階でもどの程度コメントが反映されるのか、注目されています。

上記に関する情報:
・Meaningful Useの第2段階発表
  Healthcare ITNews(2012年2月22日)[英語サイト]
  HHS.gov(2012年2月24日)[英語サイト]
  The Office of the Federal Register [英語:PDFファイル]
  The Office of the Federal Register [英語:PDFファイル]


■最近の米国ニュースから

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 新サービス

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(1)Facebook、タイムラインの新フォーマットを発表(2月29日)

・Facebookは、米軍とパートナーシップ契約を結び、米軍仕様の新しいタイムラインフォーマットを開発し、これまでより大きな写真の投稿ができるようにしたほか、過去の写真・情報へのアクセスも容易にした。
・米軍のFacebookページでは、新フォーマットの発表がバグの影響で円滑にはいかなかったが、ファン数は順調に増加しており、Facebookでは、個人向けのページでも、将来的には現在選択式になっている新フォーマットを、全面的に適用する見通しを示している。

・Federal Computer Week(2012年2月29日記事)[英語サイト]
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(2)GSA、Stumbleupon利用でトラフィック増加狙う(2月28日)


農薬のキックは何ですか

・連邦調達局(GSA)は、連邦政府のウェブサイトのトラフィックを増やす目的で、オンラインのソーシャルブックマークサイトStumbleupon.comの利用を開始し、2012年12月の開設以降、各省庁のコンテンツを1日2件ずつ自動配信している。
・Stumbleupon.comでは、Stumbleボタンを押すと、ユーザの嗜好や選択などに基づき人気のある関連サイトがランダムに提案されるが、GSAでは、同サイト内の連邦政府のコンテンツを増やし、同サイトを通じた連邦政府サイトへのアクセス増加を狙っている。

・Federal Computer Week(2012年2月28日記事)[英語サイト]
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市場動向

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(1)進む政府のクラウド利用、コスト減、政府認定に期待(2月29日)

・KPMGが実施した調査によれば、世界の政府機関の40%がすでにクラウドソリューションを導入済み、30%が導入に向けた取り組みを行なっていると答えたほか、76%が導入の動機としてコスト削減効果を挙げた。
・調査は、世界10カ国429人の政府高官・管理職を対象に実施されたが、最も多いクラウドの導入形態はプライベートクラウドで32%、ハイブリッドが26%であったほか、47%が導入の最大の懸念と指摘したセキュリティについては、クラウドサービスに政府認定の仕組みを作れば安心するとの回答が80%近くあった。

・Federal Computer Week(2012年2月29日記事)[英語サイト]
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2)DHS、新しい国境監視システム導入に意欲(2月22日)

・国土安全保障省(DHS)の税関国境保護局(CBP)は、メキシコとの国境周辺における、ビデオカメラやレーダー、センサーなどを利用した国境監視システムについて、追加の開発なしに即座に利用可能なソリューションを導入する方針を明らかにした。
・DHSではすでにベンダからの意見収集を開始したが、新ソリューションは打ち切りとなった国境付近の仮想フェンスプロジェクト(SBINet)に替わるシステムとして期待されている。

・Federal Computer Week(2012年2月22日記事)[英語サイト]


■ワシントンDC便りNo.159

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「多分、大いに役立っている」防犯システム

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昭和50年代のSFアニメ『未来少年コナン』では、荒廃した未来の地球で石油を得るため、人々が原料となるプラスチックをゴミ捨て場で採掘する様子が描かれているが、そのアニメの制作から四半世紀先の未来に相当する今日、ゴミどころかまだ利用中の資源を強引に「リサイクル」する者がいる。金属価格の高騰と不景気が相まって増加中の、電線をはじめとする金属類の泥棒だ。
昨今の日本では、柵・側溝やマンホールの蓋・エアコンの室外機・消火器・トタン屋根など、文字通り金目のものは何でも盗まれていると聞く。同様の問題は米国でも生じており、マンホールの蓋や地下溝内にある電線等を盗めないよう、マンホールの上をコンクリートで封じてしまう自治体すらあるが、重要インフラ防護の観点から国土安全保障関係者の間で特に大きな懸案となっているのが送電施設での盗難である。変電所に侵入して地中に埋められたアース棒などを根こそぎ奪う手口が多く、地域に停電を引き起こすこともあるためだ。
しかし、警備の人員や予算には限りがあり、すべての変電所や電柱・電線を24時間継続的に監視することは難しい。そこで白羽の矢が立ったのが、アフガニスタンやイラクで「反米抵抗勢力がどこに爆発物を仕掛けるか」という予測に使われているコンピュータシステムだ。これを送電網に適用することによって、当該月に最も狙われやすい(すなわち警備を強めるべき)変電所10カ所を特定できるといい、首都ワシントンDCのお膝元バージニア州の電力会社などで採用されている。
安全保障システムの常として、「起こるはずだった事件を未然に防いだ」という成果は基本的に計測不可能であるため、このシステムがもたらす効果も数値化は困難だ。しかし、盗難被害に遭った変電所では修復に数億円かかることもあるため、仮に1件でも未然に防げているとすれば、十分に元は取れたといえるのかもしれない。

 

■ワールドレポート新着情報

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1.(アジア)韓国における温室効果ガス対策の動きとICTの活用について(2012年3月8日)

低炭素グリーン成長基本法等の近年の韓国政府の取組内容と、排出量取引のあり方を巡る国会等での動向について整理した。

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2.(有識者)排出量取引の光と影 −排出量取引の課題と今後−(2012年3月1日)

日本を含め世界の排出量取引の最新動向やITに対する期待について環境省 上田康治氏にお話を伺った。

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■金融マンスリーレポート新着情報

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1.銀行業界のITスキル承継問題 (2012年2月28日)


銀行業界の大きな課題と言われている、ITスキルを如何に後世代に継承するかについてお話を伺った。

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2.保険業界、レガシーシステム近代化が加速 (2012年2月28日)

保険会社の収益環境は厳しさを増しているが、このような環境下でどのような基幹系システムの近代化が行われ、今度どのように発展していくのかについてBill Garvey氏に意見を聞いた。

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■IT政策ウォッチ

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IT政策動向2012年3月1日号が掲載されました。

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